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25日から28日まで、大磯のエピナールでのイベント
Living Art Shareにて絵画の展示をしています。
新作５点を含む、約30点の作品の展示です。
自身から半月近く経た今でも、とても悲しく、空虚な気持ちです。
被災に遭われた方、亡くなられた方、今でも不安の中で生きている多くの方々...
本当に、お悔やみ申し上げます。
3月11日のあと、私は心が止まってしまいました。
津波の瞬間もリアルタイム映像で見て、
人の乗った車が波に飲み込まれ、横転し、また飲み込まれ...
もう、何と言ったらいいか。
私には言葉や表情というものがなくなってしまって、心が壊れそうです。
きっと誰にとっても、この大変な状況を言葉にするのは難しいですよね。
今も、こうしてブログなどを書くのは私には相当の苦痛です。
地震のことは、またいつかきっと文字にします。
なのでいまは、今のこの展示に関することだけを書きたいと思います。
今の非常事態の中で、絵を描いて展示をすることってどうなのと何度も考えましたが
Ｌｉｖｉｎｇ Ａｒｔ Ｓｈｅｒｅを企画したエピナールの中里さんは
「こんな時だからこそ、本当のシェアを」と実施の連絡をくれていました。
自粛の動きが多いなか、やれることはやろうと。
私も、野田秀樹が「劇場の灯を消してはいけない」と言っているように、
不要不急でないようにみえる「文化」ですが今それを消してしまっては
人間にとってまずいことになるように思えるのです。
文化などという大きなくくりでなくても、例えば
とにかく、誰かが誰かと、この震災のさなかの思いを、今の偽らざる気持ちを、
共有して話し合う必要があると思いました。
人の集まるこの場を通して、
私にも他の人にも、嘘でも本当でも笑顔らしきものが生まれたならば、
「私たちは生きていて、これからも生きていくんだ」という気持ちをシェアできたら、
とてもいいだろうなと思いました。
この場を経過することにより、
それぞれが、より「実感のある」復興の一歩を、踏み出せるような気がしたのです。
＊
絵描きの私は普段、仕事柄一人きりで黙々と作業をします。
好むと好まざるとに関わらず、
展覧会前の数週間など、夫以外誰とも話せないこともあります。
おしゃべりで人好きな私にはつらく感じるのもままあることです。
特にこの非常時の数週間は。
でも今回のイベントでは、たくさんの方とざっくばらんに話し、
同時に多くの笑顔が会場中あちこちで飛び交っていました。
歌を歌える人は歌を歌い、
楽器ができる人は楽器を。絵が描ける人は絵を。
東北のことを思うとつらい、今自分などに何ができるのかわからない、
でもとにかく来てみた、そんな感じで、
皆がゆるやかに思いを共有し、
それぞれの持ち味で参加していた。
みんながひとつの船に乗って旅をしているように。
つらいときにつらいと言うことは、必要なことです。
それは言っていい。あるいは場所や人を選ぶ必要はあるけれど。
そして笑顔になってもいい。こんなときでも。
それが人間ですよね。
病めるときも健やかなるときも...
どのような側面もある。
多面体だからこそ強く在ることができる。
これから、どの分野においても、既存の価値観が問われてくると思います。
今も苦しみの最中にいる東北関東地域はもちろん、
日本中が、この大災害を通して、
自分はどう生きていったらよいか、
これからどういう社会を造っていけばいいのか、
それに、いったい自分に何ができるのか、
自身に何度も問いかけていくことになると思います。
わたしにとって、このエピナールでの展示は
ひとつの明るい側面の例に思えるのです。
展示は明日まで。明日の夜には夢の終わりのように撤収します。
ご来場頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
作品のお代は日本赤十字社を通して被災者の皆さまへ義援金として寄付させて頂きます。
