京都市立芸術大学時代の恩師、小池一範先生が2014年末に亡くなられました。
2014年の春、京都市美術館での「尖」展を見に来てくださったおり、
「先生、私の作品についてなにか言ってもらえますか?」
と尋ねたところ、
「長谷川さんはもう自分の世界できてるから、僕が言えることはなにもないよ。」
と言ってくださいました。
それが言葉を交わした最後でした。
いつもひょうひょうとして、でも同時にすごくいろんなことをよく見ている先生でした。
学生時代の講評会でも、私の作品の評価の際に、
「繊細だけど大胆だよね。まあ、そういうのって、友達のほうがよくわかってるだろうけど?」
そんなふうに言って、日本画同期生のみんなの顔を見回していました。
京芸日本画のスケッチ旅行の際には率先して飯ごう炊さんをしてくださいました。
「僕こういうのけっこう得意」とか言いながら。
親しみやすく、同期生みんな信頼を寄せていました。
小池先生のことを、こんなふうにすべて過去形で話さなくてはならないとは、悲しいです。
先生のご冥福をお祈りいたします。