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新年あけましておめでとうございます。
元日の朝、近くの海まで歩いて初日の出を見に行きました。

日が昇る直前の海は、明るい銀色で、柔らかい朱色が波ごとに差し込み、空気は冷たく清張。
一年の始まりにふさわしい、気持ちのよい時間でした。

ばらばらに集まってきた人たちが皆、同じ方向を向いて、静かに海の果てを見つめている。
ただ、世界に光が差し込む瞬間を、寒さの中じっと待っている。
そのことが、日が差し込むよりも前に、私の心をじーんと暖めました。

以前に登った富士山でも北アルプスの燕岳でも、こんなふうに美しい日の出を見たことを思い出しました。
たくさんの見知らぬ人々と、ひとつの美しい景色を分け合うのって、本当にいいものですね。


今年がよい年になりますように。
みなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。

年賀状2018web.jpg


(今年は戌年ということで、うちの犬も年賀状に初登場。
娘たちも昨年の年賀状と見比べると、ずいぶん成長が伺えます。
ふだんなかなか家族の絵を描くことができないので、年賀状は貴重な機会でありがたいです。)


あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は『万葉集』大伴家持の歌から題材を取って年賀状を制作しました。



新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事 

(年の初めの今日降る雪のように 今年もどんどん良いことが積もりますように・・・)




年賀rgb.jpg





2016年の個展「日々と永遠」が終了いたしました。
忙しい時間を割いて足を運んでくださった方、
遠方からエールを送ってくださった方、
皆さんありがとうございました。

今回の個展では、お越しいただいた方とお話ししながら、
何度も鳥肌が立つ体験をしました。
なんだか、とても深いところで繋がったような気がしたり、
同じ気持ちを分かち合えたような気がしました。
聞くと、お客さまの方も、同じように、鳥肌が立ったとおっしゃるのでした。
貴重な時間を共有できたことを、感謝したいと思います。

展示作品のうち、好評だった作品の一つをここに紹介します。

「野のブーケ」 SM 紙本着彩

野にある身近な植物たちを,ブーケのように束ねてみたら、どんな元気な歌が聴こえてくるだろうか。
植物たちは植物としての自分自身を楽しげに生ききって、前へ、上へ、光の方へと伸びてゆく。
高見順の詩「われは草なり」が好きで、詩から得るイメージを大切にしました。


野のブーケweb用.jpg


われは草なり 伸びんとす
伸びられるとき 伸びんとす
伸びられぬ日は 伸びぬなり
伸びられる日は 伸びるなり

われは草なり 緑なり
全身すべて 緑なり
毎年かはらず 緑なり
緑のおのれに あきぬなり
われは草なり 緑なり
緑の深きを 願ふなり

ああ 生きる日の 美しき
ああ 生きる日の 楽しさよ
われは草なり 生きんとす
草のいのちを 生きんとす




作品:baby!

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個展に出している作品の紹介です。

「baby!」  22.7× 15.8cm 紙本着彩

赤ちゃんの素晴らしさと言ったら、言葉にならない。
すべてが驚嘆。すべてが微笑みを誘う。いまも、眠りながら少し笑ったようだ。


baby!web用.jpg


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長谷川誠子展 日々と永遠

2016.11.18(金)ー29(火)
11:00-18:00(最終日15:00)
水・木 休廊

ギャラリーさざれ石(大磯駅徒歩4分)
〒255-0003
神奈川県中郡大磯町大磯1174
0463-67-9662


◆作家在廊予定日◆
18日(金)(11:00-15:00)
20日(日)(11:00-15:00)
26日(土)(11:00-15:00)
27日(日)(11:00-15:00)
28日(月)(11:00-14:00)
29日(火)(11:30-15:00)

◆新聞掲載記事◆
タウンニュースに掲載されました。
記事はこちら、またはFB
(https://www.facebook.com/hasegawaseiko.Lararium)でも読むことができます。

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11月18日からの個展に出す作品の紹介です。

「幽明 高麗山(こまやま)」  6号M 紙本着彩

幽明・高麗山web用.jpg


大磯丘陵の東端、高麗山を花水川越しに見上げると、たおやかな山容に優しい色の木々が色を添えている。
麓に高麗神社があるが、本社は中腹にあり、山そのものが祈りの形に見える。

大磯丘陵は相模湾の深くにある沖ノ山堆列の一部が陸上に顔を出したものだそう。
30万年前に隆起を始めた大地は、私たちの目には不動のものに見えるが、じつはゆるやかに生きていて、
計り知れない深い呼吸の中にある。



新聞記事に掲載

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「タウンニュース」大磯・二宮・中井版11月4日号に長谷川誠子の記事が掲載されています。

人物風土記web用.jpg



記事はこちらでも読むことができます。

(タウンニュースは、毎週金曜日に、読売、毎日、朝日の朝刊に挟み込まれているそうです。)


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長谷川誠子展 日々と永遠

2016.11.18(金)ー29(火)
11:00-18:00(最終日15:00)
水・木 休廊

ギャラリーさざれ石(大磯駅徒歩4分)
〒255-0003
神奈川県中郡大磯町大磯1174
0463-67-9662


◆作家在廊予定日

18日(金)(11:00-15:00

20日(日)(11:00-15:00

26日(土)(11:00-15:00

27日(日)(11:00-15:00

29日(火)(11:00-15:00


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作品:想いで

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11月の個展に出す作品を、少しづつ紹介していこうと思います。



想いでweb用.jpg




「想いで」 0号F 紙本着彩

大磯の海はあんがい荒く、浜は黒くて石が多い。
漁の海、生命を感じる力強い海だと思う。
ある昼、海辺を歩いていたら、ヒトデが波に打上げられて漁協近くのコンクリートにいるのを見た。
生々しく肉厚のヒトデは多少のグロテスクを伴いつつ、
あたたかい呼吸をさえしているように見えた。
ヒトデをもういちど海に帰して、数年後に描いてみようと思ったのは、乾燥して真白になったヒトデと明るい海。

年月とともにさまざまな思い出もこころの中で漂白されて、より明るく乾いていくのだ。


2016年の秋は、4年ぶりの個展を、大磯のギャラリーにて開催します。

愛知県に生まれ育ち、大学から京都、そして夫とともに東京から神奈川と移り住んできたなか、
愛知でも、京都でも、東京でも、展覧会をしてきたはずなのに、
はじめて、いま、「じぶんが住んでいる場所」で展覧会をする、という気持ちになっています。
不思議。なんで?と、ちょっと考えてみました。


それは、ひょっとしたら、この大磯という土地が、
「じぶんで、ここに暮らすと決めた」、はじめての場所だったから。かもしれません。
(生まれた場所でもなく、大学があった場所でもなく、夫の仕事の都合上でもない。)


風の鎮魂web用.jpg
(「風の鎮魂」 長谷川誠子 3号F 紙本着彩 2012 個人蔵)



誰の人生にとってもそうであるように、わたしの行先にも常々びゅうびゅうと風が吹き付けていて、
それは急峻な山の稜線上を歩くがごとく。足元に注意しなければ転げ落ちそう、
湧き上がる霧に視界は遮られて道は果て見えず。
でもこれは私が選んだ道。


ああ、海が見たい。東京近辺で、海の近くに住もう。
東京に住んで3年後だったか、そんなふうに夫婦で決める年の、その少し前に、
私は単に旅行者として大磯に来たことがあった。
(村上春樹のエッセイに出てくる大磯の描写が好きで、いつか自分の足で歩いてみたいとずっと思っていたのでした。)


まさかその時は、じぶんがこの土地に住むことになるとは知らない。
はじめてのちいさな町を、徒歩で、自転車で。観光地図を片手に、右へ左へ。

路地あり、路地の先に地域の祭があり、海あり。
黒い浜に荒い波。たくさんのサーファーが波と遊ぶ。
岩礁に飛び交うレモン色の鳥。
碧い海の背中に優しく連なる山々あり。
山のふちまで人の生活があり・・・でもその先は深い森の緑。
夜になれば海も山も、まったくの闇になる。
吸い込む空気は、くっきりと、澄んだ森の味。


観光案内所で、「ちょうど、城山公園でもみじのライトアップやっているから」と勧められたものの、
もみじのライトアップなぞ、そんなどこにでもあるような。と思っていたはずが。

池に映るもみじの赤は、実際のもみじより赤々と血のようで、動かない水面はまさに鏡。
夜を移す水の黒は宇宙の色、枝の張りは宙に伸びる無数の手。
本当よりもほんとうの世界が、そこに鏡写しに現れて、思わず吸い込まれてしまいそう、
しかし吸い込まれないように、池のふちで、世界の端で、この二本の足で、しっかりと立っていなければ。
ここに、立っていなければ、やばい。


手のひらの中におさまりそうにちいさい町なのに、思いがけないほど深い自然。
(海には飲み込まれないように、夜の森には、吸い込まれないように。)

その永遠のような「深み」と、人の感情や暮らしが、交わってある場所。


ここに暮らそうと決めて、移り住んでもう7年くらい経ちました。
その間に二人の子どもたちを授かって、大磯は、その子らの生まれ故郷になったのかと思うと、
なんだか、人生ってほんと、思いがけない。



個展は11月18日から、29日まで。
おそらく、城山公園のもみじのライトアップも、期間中に行われるのではと思います。










 




精悍な獣

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松濤美術館で開催中のクートラス展に行こうと、Bunkamura前の坂をゆるく登っていた午後3時、
なんと、田中陽希さんとすれ違いました。
「グレートトラバース 日本百名山ひと筆書き」で有名な、
プロアドベンチャーレーサーの陽希さんです。

びっくりして声を上げそうになっちゃいました。
山じゃなくて、こんな都会のただ中で遭遇するなんて。
彼はあっという間に渋谷の人混みに消えていってしまいましたが、
その顔はまっすぐ前を、瞳は遠くを見て
肩は大きく、手足は長く、黒々と日焼けした肌は無駄なく引き締まり、
迷いなく歩き去るその姿は、チーターとかヒョウとか、精悍な獣みたいに見えました。

ここのところ毎朝
グレートトラバースが再放送しているので、
いつもそれを観ては今日もがんばろうなんて思っていたところ
まさかの遭遇、きっとこれはわたしの春一番。

さあ、あたらしい季節の到来だ。風立ちぬ。いざ。



追悼

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京都市立芸術大学時代の恩師、小池一範先生が2014年末に亡くなられました。

2014年の春、京都市美術館での「尖」展を見に来てくださったおり、
「先生、私の作品についてなにか言ってもらえますか?」
と尋ねたところ、
「長谷川さんはもう自分の世界できてるから、僕が言えることはなにもないよ。」
と言ってくださいました。
それが言葉を交わした最後でした。

いつもひょうひょうとして、でも同時にすごくいろんなことをよく見ている先生でした。
学生時代の講評会でも、私の作品の評価の際に、
「繊細だけど大胆だよね。まあ、そういうのって、友達のほうがよくわかってるだろうけど?」
そんなふうに言って、日本画同期生のみんなの顔を見回していました。

京芸日本画のスケッチ旅行の際には率先して飯ごう炊さんをしてくださいました。
「僕こういうのけっこう得意」とか言いながら。
親しみやすく、同期生みんな信頼を寄せていました。

小池先生のことを、こんなふうにすべて過去形で話さなくてはならないとは、悲しいです。

先生のご冥福をお祈りいたします。





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